先日、3歳児クラスで面白いことがありました。
ある男の子が、入室するなり得意顔で身振り手振りしながら、語り始めました。
「危険生物っていうのはさ、すっごく危ないの!刺されたり噛まれたらね、しびれて死んじゃうんだよ‼︎」
どうやら、図鑑で見た危険生物にはまっているらしいのです。
すごく夢中でいいな、と思いました。
「へえ、そうなんだ」で終わらせず、是非今日は、その世界に浸りたいと感じました。
その日のテーマがたまたま、他の生き物になりきるリトミックだったので、今、その子に教えてもらった危険生物になろうと、考えました。
当日私が考えていたカリキュラムでは、春を意識して虫やお花になり動く予定でした。
急遽「ホオジロザメ」「スズメバチ」「毒ヘビ」のリトミックをする事にしました。
一通り3種類を動いてから、歩いて探す→どの生き物か聞いて判断し、動く即時反応をしました。
子供達は、怯えた顔をして歩いたり、怖そうに脅かしたりと、それはそれは集中して楽しんでいました。
私は鳥肌が立つほど面白いと思いました。
そう、コレです。私の理想の即興的リトミックは、その時そのメンバーでしかあり得ないリトミックなのです。
よくある活動の
ネズミは(♪八分音符)ウサギは(♩♩♩)クマは(二分音符)と決まりきった動きをやる意味もあります。
基本的なリズムを身体に染み込まさせる為です。
でも私は、即興的に創り上げるリトミックの方が価値があると考えます。
動きの創作(オノマトペからのリズム)、イメージを伴った多種多様な動き方、独自性、といった感覚や力がつきます。
講師も即興力がつき、引き出しが増えます。
ただ、予定通りのカリキュラムのようにバランス良く音楽要素が入る訳ではありませんので、即興的に音楽要素を含めた活動を考えられるようしなければなりません。
講師にとっては、頭をフル稼働させるスリリングなレッスンとなります。
今回の「危険生物のリトミック」では短調の曲、低めの音程に偏ってしまいました。
これを基に長調・短調の聞き分けや、
音の高低の聞き分けなどに発展出来たら、より良かったと思いました。
ライブであること、だからこそ如何様にでも変化していく。
ここに動画からの受け身の情報とは違う価値があります。
講師も子供も、変化を楽しめるリトミック。二度と再現出来ないような即興的な流れが理想のリトミックです。
やはり子供はすごい、と感じました。