リトミックの基本的な即時反応に GO&STOPがあります。
音がなったら動き、音がなくなったら止まるというルールで、リトミックの中心になると言ってもいいでしょう。
毎回のレッスン中に一回は取り入れているはずです。
さて、ゴーアンドストップは何歳から可能でしょうか。
歩行が安定して出来るようになる1歳半くらいまでは短めの、終止が分かりやすい曲を終わりまで弾いて、同時に足も止めると良いです。
また音が聞こえたら歩き出し、一曲終わったら止まる。
それに充分に慣れて1歳半〜2歳ジャストくらいになった頃には、曲の途中で止めても、反応出来るようになります。 大人が一緒にモデルとして見せてあげましょう。
子どもは、ゴーアンドストップが大好きですよね。
こんなに小さいのにすごいな、と思うのは、音楽が無い状態の時に『無』になっていません。
「よーし、聞こえたら動くぞ」とそのままのポーズで心の準備をしています。
みんな嬉しそうな顔で歩き出し、また音が止まると、「分かってるもんね」と得意顔で止まります。
ゴーアンドストップは、子どもにとって楽しいゲームであるから、能動的に聞く耳になっています。
「子どもに遊んでいると思わせて、実は教育している」のは幼児を教育する上でとても大切な事です。
最初は、先生が「あれ?」と言う顔や「しー」と言うジェスチャーをしてもいいと思います。
1、2歳児の場合は子どもが歓喜の声を「きゃー」と声をあげても許してあげます。しーんとした雰囲気がたまらないのでしょう。
3、4歳児、色々な即時反応に慣れると、止まっている間にも『休符の拍』を感じるようになります。 そのためには、最初は2小節弾いて2小節休む、などパターンを作ってあげると、拍を感じやすいです。
ずっと同じパターンでいて突然変えると、先生やお母さんまでも身体を制御出来なかったりして面白いのですが、このようなフェイントにも引っかかるまいと、子どもはよく聞くようになります。
応用として3歳以上は歩くだけでなく 様々な活動ができます。
動物のポーズのまま止まる (ウサギだったら、耳と足の屈伸のまま)
汽車ぽっぽのポーズのまま止まる (手を腰の辺りで汽車の車輪のように円を描いたまま)
ダンスの途中のポーズのまま止まる (子どもとめちゃくちゃなダンスやカッコいいダンスを考え、そのポーズのまま)
凍ったポーズで止まる (カキーンというような音が聞こえたら、好きなポーズのまま)
忍者の技のポーズで止まる (技を提示し、その音で動き、止まる)
体操のポーズで止まる (ラジオ体操や準備運動のポーズを選び、その音で動き、止まる)
動きを止めて、身体をコントロールし、なおかつ拍を感じて動くゴーアンドストップ
講師は、子どもの様子をよく見ながらピアノ弾きます。
聴覚視覚がピッタリ伴い、お互いに心地良いはずです。
さて、私が一番好きな「犬の散歩」のゴーアンドストップをご紹介します。
YouTubeチャンネル http://www.youtube.com/channel/UCKTHbcqHY-0U7rNdvmeM33w/sub_confirmation=1
「犬のさんぽ」のリトミック
犬の散歩を見ていて、またTVで聞いた「フレーミーのうた」を聞いて思いつきました。
NHKピタゴラスイッチ「フレーミーのうた」をYouTubeで検索なさって下さい。 左手を付点ではなく、四分音符♩でベース、右手はメロディを弾きます。7小節目にブレイク?(音楽が突然止まるインパクト)があります。そこで止めてもいいですが、私はそのまま弾き続けています。止める場所はそこではなく適当に4小節、8小節などで止めます。
左手を私はレガートで弾いています。レガートで弾くのとノンレガートで弾くのとでは歩き方が違うので、お好きな方で弾いてください。
ドーシーラーソーファーミーレーソー
ドーシーラーソーファーミーレーソー
ドードーミーミーファーファーファ♯ーファ♯ー ソーソーラーラーレーソードー低いドー‥‥ とベースを弾いています。
(活動の仕方)
「今日は、犬の散歩に行こうね」
「みんな一匹ずつワンちゃんを連れてきたでしょう?何色のワンちゃんなの?大きい犬?小さい犬?」(エアです)
子ども「私、白い犬」「私、チワワだよ」「ぼく茶色い犬」(エアです)
「しっかり紐を持ってね。紐を離したらワンちゃんが逃げてしまうからね」
紐をもって歩く → 止まる
「あれ?」
「・ ・ ・」
「おしっこかな」
「まだかな?」
紐を持って歩く → 止まる
「あれ?」
「あ、今度は赤信号だ」
紐を持って歩く → 止まる
「あれ?」
「・ ・ ・」
「あ、お友達の犬だ。お話ししていこう」(「ワンワン」「ワン」)
紐を持って歩く → 止まる
「あ、今度は」
「ウン◯してる(笑)」
「・ ・ ・」
「そろそろ終わったかな?」
紐を持って歩く → 止まる だんだん音楽がゆっくりになる(リタルダンド)
「あ〜れ〜れ〜」
「寝ちゃってるよ」
「紐を引っ張って」
引っ張る音 ♩ ♩ ♩ ♩
紐を持って歩く だんだん音楽が速くなる(アッチェレランド)
「あ!待って」
紐を持って走り続ける → 突然止まる
「急に止まった。なんだろう」
「やだ、またおしっこ(笑)」
「そろそろ、お散歩おしまいにしてお家に帰ろうか」
紐を持って歩く → 止まる
「ただいまー」
とても楽しく、本当に子どもは自分の住んでいる街で、犬の散歩をしている気分になります。曲がり道、横断歩道、電信柱が見えてきそうです。 時間にして7、8分くらいだと思いますが、集中しているのであっという間に感じます。
スムーズな声がけ、的確なタイミングで弾くには、完全に覚えるか、即興的に作れるか準備しておかなければなりません。
GO&STOPは、シンプルで教育効果の高い活動の一つです。
イメージしながら、五感をフルに使い遊びましょう。